福島に行ってきました・10/4
部屋の窓に光が差し込んでいる。
「うぇぁぁぁぁ・・・」
うめき声のようなため息をついてケータイを手にとると、既に7時を回っている。
今日のスケジュール、朝食は午前7時から。
同部屋のメンバーは、それこそ夜明け前まで飲んでいたようで、いくら起こしても起きない。
そのうち起きるだろう、とひとり部屋を後にして食堂へ。
軽く食べて部屋に戻るも、彼らはまだ起きていない。
改めて起こす。ようやく目を覚ました。
そのとき、そのうちのひとりが私に向かって、
「○○ちゃーん!」
えっ!?・・・一瞬、空気が凍り、しばらくして彼が、恐縮しきったように
「あっ、すみません・・・カミさんと勘違いしてました!」
朝から奥さんとラブラブなんだろうな。ちょっと微笑ましい瞬間。
なんて言ってる場合じゃない。出発まであと5分、しかもステージ衣装に着替えてなきゃいけない。
大慌てで着替えを済ませ、バスに飛び乗り、会場へ。
と思いきや、まだ2人来ていない。
なんでも、メガネをなくしたとかで、部屋で必死になって探しているらしい。
後から行きます、とのことなので、我々は先に行く。
会場に着くと、本日出演予定の小中学生がたむろしている。
まるでコンクールみてぇだなぁ・・・と、吹奏楽的発想で見てしまう。
リハーサル用に割り当てられた小ホールで、最後の練習。
メガネをなくしたメンバーも、無事にメガネをかけてやってきた。
途中の休憩で、ステージ上で演奏している小学生・中学生の様子を見る。
しかし、こんな田舎町なのに、どの小中学校にも器楽部なるものがあり、室内楽のようなものをやっている。
恵まれた町なんだなぁ、と改めて実感。
そして、我々の本番。
フルオーケストラがこの町に来るなんて、そうそうないはず。だから、インパクトを与えられるようにと、全力で吹いた。
ちなみに、当日のプログラムは下記のとおり。なじみのある曲ばかりを揃えた。
喜歌劇「天国と地獄」序曲/J.オッフェンバック
バレエ音楽「眠りの森の美女」より ワルツ/P.I.チャイコフスキー
劇音楽「真夏の夜の夢」より 結婚行進曲/F.メンデルスゾーン
トランペット吹きの休日/L.アンダーソン
ハンガリー舞曲第5番/J.ブラームス
スラヴ舞曲第8番/A.ドボルザーク
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲/P.マスカーニ
交響詩「フィンランディア」/J.シベリウス
定員500人のホールがほぼ満員という状態。がぜんやる気が出る。
とにかく、何を吹いてもそのたびごとに万雷の拍手。
音楽やってる人間にとって、もっとも快感を味わう瞬間。
「フィンランディア」が終わると、しばらく拍手が鳴り止まない。
そんな中、町内の各小中学校の代表が花束を抱えて舞台に出る。
その中に、ひとりだけ男の子が。すかさず、指揮者の先生が彼に声をかける。
何と、アンコールは彼に振らせるつもりだ。
戸惑う彼を尻目に、舞台上も客席も大いに沸く。
そして彼は、そのまま戸惑いながら「ラデツキー行進曲」を振り始めた。
先生が彼の腕をとり大きく振らせたり小さく振らせたり。
かと思えば、手を腕から離して彼にまかせてみたり。
客席の手拍子のおかげで、テンポがそう大きく揺れることもなく、無事終了。
いい経験したな、少年。
朝から始まった演奏会は、お昼過ぎには終了。朝から本番なんて、これこそまさにコンクールそのものじゃないか。
昼食をとり、2日間お世話になった方々にお礼を述べて、町を後にする。
帰りのバスの中で、前日の残りのビールを開けつつ談笑、そして爆睡。
首都高で渋滞に巻き込まれつつも、18時過ぎに無事に新橋に帰着。
三々五々、メンバーは家路へと散る。
夢のような2日間は、あっという間に終わった。
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